世界遺産(せかいいさん)は、1972年のユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)に基づいて世界遺産リストに登録された、遺跡、景観、自然など、人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」を持つ物件のことで、移動が不可能な不動産やそれに準ずるものが対象となっている。

 

1960年代、UNESCOはアスワンハイダムの建設によってナイル川流域にあったヌビア遺跡を水没の危機から救うためにこの遺跡群を移築して保存する救済キャンペーンを行った。このときに「人類共通の遺産」という世界遺産条約の基本的な考え方が広がり、1972年、「世界遺産条約」の採択へとつながっていった。