【プラフマー】

ブラフマー

 

ブラフマー(梵、ヒンディー語: ब्रह्मा Brahmā)はヒンドゥー教の神の1柱、創造神でありトリムルティ(最高神の3つの様相)の1つに数えられる。

 

4つの顔を持ち、それぞれの顔は四方を向いているとされる。ブラフマーはスワヤンブー(自ら産まれる者)や、バーギーシャ(言葉の王)という名でも知られ、4つの口のそれぞれから4つのヴェーダを紡いだとされている。

 

ブラフマーは時にリグ・ヴェーダに語られる創造神であるプラジャーパティと同一視され、またや宇宙の卵であるヒラニヤ・ガルバ(神々の上に位する唯一神)との関連が指摘されることもある。

 

ブラフマーはヴェーダ後の時代になってヒンドゥー叙事詩(ラーマーヤナマハーバーラタなど)やプラーナ文献の神話の中で存在感を増した。叙事詩の中で彼はプルシャの性格を引き継いでいるとされることもある。ヴィシュヌシヴァとともにトリムルティの一角を担うが、古代の文献ではブラフマーの含まれない3柱を最高神の3人組に数えている。

 

ブラフマーはしばしば宇宙と様々な生物の創造主であると語られる。しかし一方で、いくつかのプラーナではヴィシュヌの臍から生える蓮から生まれたとされている。他にもシヴァから、あるいはシヴァの様相の1つから生まれたとするプラーナもあれば、最高神の1柱であると語られる場合もある。

 

不二一元論ではブラフマーはしばしば、他のすべての神々とともにサグナ・ブラフマン(形のあるブラフマン)あるいはニルグナ・ブラフマン(形のないブラフマン)であるとみなされる。

 

現代のヒンドゥー教ではブラフマーは人気のある神格とは言えず、ヴィシュヌやシヴァと比べトリムルティの中での重要性も低い。ブラフマーは古代の聖典の中では礼賛されているものの、インドでは重要な神として人々の信仰を集めることは稀であった。そのためインドにあるヒンドゥー寺院でブラフマーを奉るものは少ない。最も有名なものとしてはラージャスターンプシュカルのブラフマー寺院が挙げられる。ブラフマー寺院はインド国外にも存在し、タイ王国エーラーワンの祠などが有名である。

 

[1名前の由来]・[2歴史]・[3偶像に見られる特徴]・[4寺院]等を含めたブラフマーに関する他の項目の詳細は「ブラフマー・[名前の由来]以降」の項目を参照-


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