【 大 宛 】

大宛(呉音:だいおん、漢音:たいえん、拼音: Dàyuān)は、紀元前2世紀頃より中央アジアフェルガナ地方に存在したアーリア系民族の国家。

 

大宛(だいえん)とは固有名詞を漢字に転写したものではなく、広大なオアシスという意味らしい。しばらく中国史書では大宛という名を使用したが、『魏書』以降はフェルガナの転写と思われる洛那国、破洛那国、鈸汗国、拔汗那[、𢘥捍国などが使用された。

紀元前1世紀の西域諸国

 

張騫以前 紀元前129年頃に前漢張騫が訪れるまで、この地(フェルガナ)は史上に知られていなかった。それは、紀元前6世紀以降のアケメネス朝にしてもアレクサンドロス3世(大王)にしても、ヤクサルテス川(シル・ダリア)を越えてこの地にまで踏み込むことがなかったためであり、ましてや中華王朝がこの地に進出することがなかったためである。しかしながら考古学上、紀元前2千年代からこの地には青銅器時代を迎えた定住民が暮らしており、文化的には生命樹ジッグラトといったメソポタミア文明の影響を受けていたことがわかっている。やがて、この地にイラン系の人々(いわゆる アーリア人やサカ人)が南下して移住することとなり、大宛建国に至る。

 

-上記以外の[歴史]および[習俗]、[地理]等の詳細は、

大宛・[歴史]・張騫の西域訪問」以降を参照-