[重陽の節供の祝い膳]

 

9月9日は重陽の節供。旧暦の9月といえば今の10月で作物の収穫が終わった頃。栗ごはんを炊いたり、餅をついたりするなど、収穫を祝う習慣もあり、「栗の節供」ともいわれている。「お九日(くんち)」にナスを食べると中風(ちゅうぶ)にならないとする地域もある。

 

■旬の味「栗」「ナス」「菊」を使った重陽の節供の祝い膳

重陽の節供にちなんだお料理で収穫の秋、味覚の秋を楽しもう。 栗ごはん、焼きナス、菊の花のおひたし、菊と春菊の吸い物を紹介する。

 

栗ごはん

栗ごはんは、市販の甘栗を使って簡単にできる。
①米1合あたり4~6個、甘栗をむいて入れる。
1合あたり小さじ1の塩を入れ、栗の分として1割増しの水を入れて電気釜で炊く。
②炊き上がったらしばらく蒸らし、米と栗をさっくり混ぜる。
黒ゴマを振ると一層美味。

 

栗ごはんを炊いている間に焼きナスを作る。

 

焼きナス
①ナスはガクの周りにぐるりと浅く切込みを入れ、火が通りやすくする。
②箸で持った時にふにゃりとするくらい、焼き網で十分に焼く。
③氷水にとって、竹串などで皮をむき、汚れをサッととって冷蔵庫で冷やす。
④食べるときは醤油やポン酢でさっぱりと。かつお節やすりおろし生姜など、好みの薬味をそえるのもよい。

 

次は菊の花のおひたしと吸い物を作る。

 

■菊の花のお浸し

①食用菊の花びらを、酢少々を入れた熱湯でさっと茹でる。
②ざるにあげて水気を切り、食べる直前に醤油かカラシ醤油をかける。

 

■菊と春菊の吸い物

①春菊は洗って根元を切り落とし、2cmぐらいの長さにざく切りにする。
②鍋に昆布だしを入れて熱し、切った春菊と食用菊の花を入れ、塩少々と醤油で味を整える。中火でサッと仕上げたほうが、香りが出ておいしい。

 

食用菊は、植物性たんぱく質、ビタミン、カルシウムを含み、香りによる食欲増進効果も期待でるといわれている。日本の食用ハーブともいえる。