【 雲 豹 】

 

ウンピョウ(雲豹、Neofelis nebulosa)は、ネコ科ウンピョウ属に分類される食肉類。本種のみでウンピョウ属を構成する。別名タカサゴヒョウ(高砂豹)、タイワントラ(台湾虎)。

 

[分布]

 

インド北東部、インドネシア(スマトラ島、ボルネオ島)、タイ、中華人民共和国南部、ネパール東部、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス、台湾では絶滅。

 

[形態]

 

体長62-107cm。尾長55-90cm。体重16-23kg。頭部は大型で細長い。毛衣は暗灰色や黄褐色で、体側面に黒い縁取りのある不定形な(雲型)濃色の斑紋と黒い斑点や縞が入る。和名は雲状の斑紋に由来する。耳介の後方は黒い体毛で被われ、白い斑点が入る(虎耳状斑)。 耳介は丸みを帯びる。虹彩は黄褐色。鼻面は頑丈で幅広く、顎が発達する。犬歯は非常に大型。第1小臼歯は小型で、第1小臼歯がない個体もいる。四肢は短く、足の裏は幅広い。

 

[分類]

 

ネコ属とヒョウ属の中間的な種だと考えられている。

 

[生態]

 

標高2,000-3,000mにある森林に生息する。樹上棲。夜行性。群れは形成せず単独で生活する。 食性は動物食で、小型哺乳類、鳥類、ヘビなどを食べるが、イノシシやシカを食べることもある。樹上で獲物を襲ったり、樹上から地表を通りかかった獲物を襲うこともある。 繁殖形態は胎生。妊娠期間は86-95日。樹洞に幼獣を産み、飼育下では1回に1-5頭(主に2-3頭)の幼獣を産んだ例がある。授乳期間は5か月。生後26か月で性成熟する。

 

[人間との関係]

 

・開発による生息地の破壊、毛皮や牙目的、漢方薬用、ペット用、動物園での飼育用などの乱獲などにより生息数は減少している。・台湾や海南島の個体群は絶滅したと考えられている。 ・日本国内では1983年に野毛山動物園が初めて飼育下繁殖に成功した。


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