【キダーラ朝】

 

 

中国人系の王朝で、「フン族」として知られているイラン語を話す遊牧民の一族である。

この遊牧民の一族は中国から始まり、4世紀の後半には平陽(現代の臨汾、山西)周辺の地域からシルクロードに沿ってバクトリアに侵入し、キダーラ王国を樹立した。


『魏書』列伝第九十によれば、「大月氏国、北は蠕蠕(柔然)と接し、(柔然から)たびたび侵入を受けたので、遂に西の薄羅城(バルフ)へ遷都した。大月氏国の王寄多羅(キダーラ)は勇武で、遂に兵を起こして大山(ヒンドゥークシュ山脈)を越え、南の北天竺(インド)を侵し、乾陀羅(ガンダーラ)以北の五国をことごとく役属した。」とあり、この頃の大月氏はクシャーナ朝の後継王朝であるキダーラ朝を指し、中国ではキダーラ朝までを大月氏と呼んだことが分かる。その後キダーラ朝は匈奴(エフタル、フーナ)の侵攻を受けた。

 

出典:ウィぺディア 月氏 キダーラ朝