【イラク石油会社】

イラク経済の柱となる石油が発見されたのは1909年で, 27年にキルクークで最初の商業生産が行われた。 その利権は1925年以降イギリス系企業(1925年イラク石油会社,32年モースル石油会社, 38年バスラ石油会社)に与えられ,1930年代に地中海沿岸に至るシリア経由パイプラインによる 原油輸出が開始された。第2次大戦以降は50年代以降の原油生産の増大,52年からの利権料支払での 折半方式採用により,石油収入は着実に増加していった。

 

しかしそれらアメリカ以外の石油資源は,おおむねBPやシェルなどが握っていた。 そこでスタンダード・オイル・グループを中心とするアメリカ勢力は, 当時最も有望で新しい資源地域と考えられていたイラクに強力に参入しようとして, アメリカ国務省と協力し,1928年にBP,シェル,フランス石油会社(CFP)と並んで ジャージー・スタンダードとモービル社がイラクの原油資源を排他的に共同で支配する イラク石油会社Iraq Petroleum Co.(IPC)の基礎をつくった。

 

また,同じ年にBP,シェル,ジャージー・スタンダードが協議して, 世界市場での販売や輸出についての競争を排除して, 当時のシェアを固定する〈アクナカリー協定Achnacarry agreement〉を結んだ。

 

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト