【 迫台 (せり台) 】

アーチは,アーチを形づくる部材にほとんど曲げの力が生じないという長所がある代りに,アーチの両端部に,外方へ向かって斜め下方への横圧力(スラスト,アーチ推力ともいう)を生ずる。この横圧力を吸収して安全に地盤に伝えるため,アーチは両側から十分な重量のある堅固な壁ではさんでやる必要があり,このような両側の壁体部分を迫台(せり台=アバットメント)という。

 

アーチ構造の特色は,比較的小さい石材や煉瓦のブロックを用いて,広い径間(スパン)に梁が渡せることで,長大な木材や石材が入手できない地域で古代から発達していた。

 

出典: 株式会社平凡社世界大百科事典