【デヴァラージャ (神王崇拝)】

デヴァラージャ(devarāja、神王崇拝)は、ヒンドゥー教のシヴァ神信仰に現世の支配者である王への崇拝を結びつけ、王の神格をシヴァ神の法力(不思議な力)の象徴である男根リンガによって表した。

すなわち王のリンガこそが王朝の永遠不滅、または王朝そのものの象徴で、これはシヴァ神からヒンドゥー僧を経て与えられたものであると考えられた。

 

また神王崇拝は、王をシヴァ神の少なくとも部分的な化身であると神聖視し、これによって現世の支配者である王としての権威を基礎づけたのだ。 これは、生身の人間である王そのものを礼拝したわけではなく、礼拝の対象は常に王のリンガだったのである。

 

リンガとは男根をかたどって刻まれた石柱である。

リンガ

 

参考文献:今川幸雄著「アンコールの遺跡」 霞ヶ関出版