【ダーラニンドラヴァルマン2世】

この人物に関してはスールヤヴァルマン2世とヤショヴァルマン2世の間に王位にあったと考える説があるが、証拠となるような碑文が確認されていない。しかし、仏教に深く帰依していた人物として知られている。

 

ベン・メリア寺院、大プリヤ・カーン寺院などの大きな仏教寺院のほか、チャウ・サイ・テヴォダ寺院やバンテアイ・サムレ寺院をはじめとする多くの小寺院を建立した。また、仏に捧げるために街道沿いに施療院や宿駅等をおいたことで、国内が整備された。

 

ダラニーンドラヴァルマン2世は、後のジャヤヴァルマン7世の父親としても知られ、その信仰の深さは息子にも深く影響した。ジャヤヴァルマン7世はこの父を観世音菩薩に見立ててプリヤ・カーン寺院に祀っているという。

 

出典:アンコールの遺跡群の調査と保存