【淺浮彫り】

レリーフあるいは浮き彫り(うきぼり)または浮き彫り細工(〜さいく)は、美術の技法である。 浮け彫り、浮き上げ彫り、ともいう。 芸術品のほか、肖像、地図、硬貨、家具や建築物の外装などに使われる。

 

その彫りの深さにより、素材を少し掘り込んだだけのほぼ平らなローレリーフ(浅浮き彫り)と、彫刻と同じくらいの立体感があるハイレリーフ(高浮き彫り)に分かれる(中間的なものもある)。

 

沈み彫りは、古代エジプトで多用された技法で、背景部分を掘り下げない。人物は、大きな段差で背景から沈んで見える。

 

凹み彫り (くぼみぼり、counter-relief) は、背景を掘り下げないのは同じだが、雌型のように凹凸が実物と逆転している。

 

古代エジプトには浅浮彫りや沈彫りが、古代ギリシアでは、パルテノン神殿破風(はふ)彫刻に代表される高浮彫りが多く見受けられる。また、ルネサンス期のフィレンツェ洗礼堂(サン・ジョバンニ洗礼堂)第二扉の塑造によるブロンズの浮彫りは、作者ギベルティがブルネレスキとコンテストで競って制作したものとしてとくに有名である。

ギベルティ作「天国の門」より

浅浮彫り(背景)と高浮彫り(手前)の両技法による作品

 

日本でも石彫(せきちょう)、木彫(もくちょう)、金工品などに重要な作品例が少なくない。

 

奈良・壺阪寺(つぼさかでら)(南法華寺(ほっけじ))の鳳凰(ほうおう)磚(せん=煉瓦でできた正方形あるいは長方形の厚い平板)、岡寺(おかでら)の天人文磚、川原寺(かわらでら)をはじめ各地で出土している磚仏(仏)などはその代表例。

南法華寺の鳳凰磚

 

また薄い銅板を原形に当てて、たたき出した押出し仏(おしだしぶつ)が法隆寺、法隆寺献納宝物、唐招提寺(とうしょうだいじ)などにある。さらに石製浮彫りに、奈良・頭塔(ずとう)石仏がある。

 

平安時代に入ると木彫りの浮彫り像があり、興福寺の板彫十二神将像はそれである。このころ各地に磨崖(まがい)の石仏磨崖仏がみられるが、栃木県の大谷寺(おおやじ)、大分県の各地の石仏などは石の浮彫りの代表的なものである。

 

出典:・Wikipedia  

         ・小学館 日本大百科全書