【バンテアイ・サムレ】
バンテアイ・サムレ
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バンテアイ・サムレ(Banteay Samré、クメール語: ប្រាសាទបន្ទាយសំរែ)は、カンボジアのアンコール遺跡における寺院遺跡の1つであり、東バライの東側に位置する。12世紀中頃にスーリヤヴァルマン2世(在位1113-1150年)の統治時代に造られたアンコール・ワット様式のヒンドゥー教寺院であり[1]、小アンコール・ワットともいわれる[2]。
高さ6メートルの外周壁に囲まれたバンテアイ・サムレは、インドシナ半島の古代民族サムレ (Samré) にちなんで名づけられ、「サムレ(入れ墨)族の砦」の意をもつ[3]。寺院はバンテアイ・スレイと同じ材料を用いている。
バンテアイ・サムレは1936-1944年にフランスのモーリス・グレーズ(フランスの建築家で考古学者、アンコールの保守士)により修復された[4]。
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ラテライトの外周壁
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ラテライトで造られた周壁がほぼ正方形に囲んでおり、外・内周壁の東西南北それぞれに塔門(ゴープラ、gopura)を持つ[1]。外周壁は83×77メートルであり、通常、ラテライトのテラスから続く東門より入場する[1]。内周壁(回廊)は44×38メートルである[1]。内周壁には回廊へと改造された痕跡が認められる[5]。 二重の周壁には連子窓(れんじまど)が見られ、円錐状の塔をもつ中央祠堂と、東側の基壇上に南・北となる2棟の経蔵などを備える[3] [6]。 寺院の東西に参道があり、ラテライトの上に砂岩を敷いた東参道は延長200メートル、境界石が両端に認められる西参道は350メートルにおよび東バライの東端まで続く[6][7]。
[脚注]
[1] Rooney, Dawn F. (2011). Angkor: Cambodia's Wondrous Khmer Temples (6th ed.).
Odissey. pp. 335-338. ISBN 978-962-217-802-1.
[2] 石澤良昭 『アンコール・ワット - 大伽藍と文明の謎』 講談社〈講談社現代新書〉、1996年、
89頁。ISBN 4-06-149295-0。
[3] 平山善吉 『アンコールの遺跡』 連合出版、2011年、74-75頁。ISBN 978-4-89772-262-7。
[4] Jessup, Helen Ibbitson; Brukoff, Barry (2011). Temples of Cambodia - The Heart of Angkor.
Bangkok: River Books. p. 152. ISBN 978-616-7339-10-8.
[5]『アンコール遺跡の建築学』 (2001)、151、154頁
[6] 波田野直樹 『アンコール遺跡を楽しむ』 連合出版、2007年、改訂版、177-178頁。
ISBN 978-4-89772-224-5。
[7]『アンコール遺跡の建築学』 (2001)、133、159頁
[参考文献]
『アンコール遺跡の建築学』 片桐正夫編、連合出版、2001年。ISBN 4-89772-165-2。
[関連項目]
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