【集中式建築】

中心点または中心となる空間のまわりに従属的な空間が対称かつ均等に配置される建築。平面では,円,正方形,正多角形が基本となり,中央部の屋根にはドームが採用されることが多い。機能をこえるその象徴的な形態のため 小宇宙のイメージを描き出すものとして,古代では聖なる空間の創成に用いられた。

 

キリスト教文化圏では,集中式建築は主としてビザンチン建築において発展,ギリシア十字形平面や八角形平面がドームと結合して集中的空間を構成した。イスタンブールハギア・ソフィアはその代表例。次いで空間の均衡を尊重したルネサンスにいたって集中式建築への関心が再度高まり,多くの建築家がさまざまな構想を生んだ。

 

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典