【インド統治法】

[1858年のインド統治法]

イギリスはインド大反乱(シパーヒーの乱)の翌1858年に「インド統治改善法」を制定し、インド統治を東インド会社を通しての間接統治から、「国王の名の下に、国王の名による」直接統治に改めた。そのため、内閣に新たに「インド担当国務大臣」を置き、現地のインド総督に「副王(Viceroy)」の称号を与えて、本国政府から直接指揮される機関に改めた。

 

●インド統治法とは、1858年以降のイギリスのインド直接統治のために制定された法律の総称である。

イギリスは東インド会社にインド統治を委任していた時期から、さまざまな関連法案を制定してきた。広義にはイギリス議会でインド統治のために制定されたあらゆる法律がインド統治法に含まれ、その早いものには1773年のノースの規制法、ピットのインド法などがあるが、一般的には、狭い意味で、1858年の東インド会社の解散、インドの直接統治開始以降のインド統治法のことを指している。インド統治法は、国民会議派やムスリム連盟などのインドの反英闘争を抑えながら、一部で妥協し、改訂を繰り返した。その過程で特に1909年のモーリー=ミントー改革で制定されたもの、1919年のモンタギュー=チェムズファド改革で制定されたものが重要とされている。また1935年に制定されたものは新インド統治法とも言われる。

 

出典:世界史の窓 インド統治法